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まちづくりのコンセプト
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まちづくりとは? 頻繁に使われる『まちづくり』という言葉は、使われ方が幅広いので、なかなか理解できないのが現状である。中心市街地の基本構想を作成するにあたりその考え方をある程度わかりやすく説明しておく必要がある。 『まち』は永い年月を重ねて出来上がったものである。そこには歴史、文化が根付き地域の風土をつくり出している。従って『まちづくり』を進めるにあたり白紙の状態でスタートする訳にはいかないのである。つまり、『まちづくり』は更地に新築するのではなく、既存の建物を改修、増築、改装するようなものと言える。 先ずは地域の気候風土、敷地の形状、歴史、文化を調査することが基本であろう。そして、良いところ、悪いところ問題点、残したいもの、壊した方がよいもの、足りないもの、新しく欲しいもの、改善したいものなど様々な要望を取り入れる中で理想的で魅力的な計画案が生まれてくるのではなかろうか。 〜雑木山のまちづくり〜 ☆杉山と雑木山 人工的に植林された杉山が戦後急速に増え続けてきた。規則正しく植えられた杉山は遠くから見ると実に美しい光景である。これらの多くは建築材料として利用されるために植林されたものである。成長も早く40年も経つと立派な材木となり製材されて建築材料や家具などに利用される。 杉山は多種多様の雑木山と異なり小鳥や小動物が来ないので暗くて静かな山となっている。又、保水力が少なく河川の氾濫の原因となったり、漁獲にも影響を及ぼすなど環境的にも様々な悪影響が出て来ているのも解ってきている。 一方、雑木山は落葉樹あり、紅葉樹あり、花の咲く木、実のなる木など様々である。四季があり動植物が混然一体となり生態系のあるにぎわいのある山となっている。落葉した落ち葉などで地表面は腐葉土となり栄養分を貯えることができると共に、川や海に豊富な栄養を供給してくれる。その栄養分で多くのプランクトンが発生し、それを求めて多くの魚が集まってくる。そのような食物連鎖のお陰で川も海も豊かになっているのです。 ☆商店街は雑木の山に! これまでの商店街の作り方は杉山と言って過言ではない。直線的に碁盤目のように植林された杉山は、成長すると伐採され、その後、再び植林される。 商店街に於いても同じようなことが言える。道路拡張や都市計画に於いて新しい店舗やアーケードが造られてきた。造る時は補助金や様々な制度を利用しながら商店街が一気にできた。しかし、老朽化と共に再度造りかえなくてはならない時期が来ても、今度は高度経済成長の時代とは背景が違う。 経済は沈滞化、経営者も高齢化し、後継者はいないときている。建て替えするにも体力がなく足並みが揃わない。従って朽ち果てるのを黙って見守るしか手立てがないのである。こうなると商店街はダメになる。これがまさに杉山と同じようなものである。 しかし、雑木の山は杉山とは異なり、枯れる木もあり新しい芽のでる木もある。四季折々の気候風土にあった樹木が育ち、生態系をつくりあげているのです。まさに、商店街もそのような雑木の山になるべきではなかろうか。 閉める店があっても新しく開店する店、改装する店、商品の入れ替えなど商店街の中でいつでも成長が感じられるような動きがなくてはなりません。それが、雑木山の商店街であり、活性化の原動力なのです。 |
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