来てくりゃんの蓙市
串間市大束商店街の広場に野外
ステージが完成。その完成を
祝って全く新しい試みとして環
境に優しいエコロジーの祭りを
企画し開催した。商店街の皆さ
んの手づくりの祭りを目指し、
先ずは真竹を切りに出かける。
約100本の竹を切り出し加工す
る。上屋は竹で組み立て屋根に
漁網やよしず、藁などを載せ販
売小屋を造る。周辺の建物はむ
しろ、とうもろこし、竹の笹な
どで被う。販売の台はプラス
チックなどの石油加工製品は全
て隠し自然素材で被いその上に
商品を展示する。
商品の値付けも和紙、杉板、竹
などの自然素材を使うと言う徹
底したエコロジーの祭りをおこ
なった。 出店の路地空間はまる
で昭和の初期にタイムスリップ
したかのような風景と化した。

野外ステージの外観
 お祭りに欠かせないステージ
前の広場は通りから全く見えな
いように別空間とした。会場入
口には竹のトンネルをつくり、
そこを潜ると別世界が忽然と現
れるような演出である。つま
り、会場の音と光りがもれるだ
けで何か興味をそそるような雰
囲気とした。会場内に入るとラ
ンダムに建てられたテントが置
かれ迷路的で回遊性のある空間
となり何かしら落ち着きのある
不思議空間の会場となった。
コップ、箸、花器なども竹でつ
くり会場全体が竹一色の祭りと
なった。ゴミを出さない、リサ
イクルのできるエコロジー祭り
は人々の心に深く刻まれること
となったものと思う。
祭りは当日だけ楽しむものでは
ない。準備作業から楽しんでや
らないと苦痛となるのが落ちで
ある。試行錯誤でこれまでに
やったことのない祭りへの挑戦
こそが次の新しい発想を生み、
そして商店街の活力のもととな
るのではなかろうか。

2006.1.12 UP

ステージの内部
ガラス扉は開放されイベント時は外に跳ね出した床とつながり大きなステージ空間となる。
テントとテントの空間は藁縄で雲の巣のように張り巡らし椅子に座ると半野外空間となり落ち着いた雰囲気を醸し出した。